初めまして、テックドクターでCTOをしている、佐藤大樹と申します。このたび、弊社の技術ブログ「TechDoctor開発者Blog」を立ち上げることにしました。
みなさんはテックドクターが何をしている会社かご存じでしょうか。私たちテックドクターは、デジタルバイオマーカーの開発をしています。
デジタルバイオマーカーってなに?
たとえば健康診断の血液検査で測定するHbA1c(ヘモグロビンA1c)という数値。この値が高いと糖尿病の疑いがあるとされます。このような指標は(「デジタル」のつかない)バイオマーカーと呼ばれています。
私たちが開発しているデジタルバイオマーカーは、デジタルデータを活用して作成したバイオマーカーです。健康診断のような特別な機会にしか測定できないデータではなく、日常的に使用しているウェアラブルデバイスやIoTデバイスなどに蓄積された『日常データ』を活用します。それらを統計処理して状態定量化することで、病気の早期発見や治療につながる客観的指標を得ることができます。そうして得られた指標のことをデジタルバイオマーカーと呼びますが、これをデータドリブンで開発していくのが私たちテックドクターです。
デジタルバイオマーカーを活用すると、たとえばこんなことができます。
- 患者さんに測定デバイスを付けてもらうことで、病勢を把握し、医師とのコミュニケーションを円滑にする
- 希少疾患の発作の発病をデジタルバイオマーカーを使って予測することで、患者さんの薬のタイミングを調整する
- まだ病気に至っていない段階でも、このままの生活を続けると病気になりそうだという予兆をつかむ
上記はほんの一例で、他にもさまざまな方法でみなさんの健康に貢献できます。
エンジニアが何をしているのか発信したい
こうしてデジタルバイオマーカーの開発を続けてきて、ありがたいことに狭い業界ではだんだん知名度も上がり、口コミ等を通して指名でお仕事をいただける機会も増えてきました。
非常にやりがいや社会的意義がある仕事だと日々感じていますが、いっぽうでCTOの立場からは現状にひとつ問題意識も感じています。
私たちの会社にいるエンジニアがどんなことをやっているのか、外から見えないのです。
私は昔、Unohという会社で「ウノウラボ」というブログの立ち上げを経験しました。当時まだ珍しかった企業のエンジニアブログの走り的なブログです。
ブログの運営には大きなメリットがありました。ウノウラボが技術情報の発信源として評価された結果、Unohの採用には優秀なエンジニアがたくさん応募してきてくれたのです。
テックドクターでもウノウラボの成功経験を生かし積極的な情報発信を行うことを目的として、このブログを開設しました。
ただ反面で、エンジニアとしての本業があるかたわらでのブログ執筆は、予想以上に負担がかかる業務でした。今回は運営メンバーに編集者を迎えることで、エンジニアの負担を軽減しながらブログを書くことができないかという試みも行っていきます。
テックドクターのエンジニア組織
せっかくなので、私たちテックドクターのエンジニア組織についても紹介させてください。
テックドクターでは現在、プロダクトチームとデータサイエンティストチームの2つのチームに分かれ、互いに連携しながら革新的なソリューションを開発しています。
プロダクトチームでは、ユーザーのニーズを把握し、それにもとづいた製品やサービスの設計・開発をおこないます。ミッションは使いやすく高機能なアプリケーションを提供すること。プロダクトマネージャー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアが一体となって、定期的なユーザーテストやフィードバックセッションを通じて、プロダクトの改善を続けています。
一方、データサイエンティストチームは、膨大なビッグデータを分析し、その結果をもとに統計分析や機械学習を駆使して、デジタルバイオマーカーの開発と最適化を行っています。こうして開発したデジタルバイオマーカーは、先ほどご紹介したとおり患者さんの病勢判断や治療効果の評価に活用されています。それ以外にもデータサイエンティストの業務は論文を読んだり、追実験を行ったりと、大学の研究室にかなり近いと感じています。
「もうやっちゃいました」精神で獣道を作りたい
テックドクターでは医療や健康、データサイエンス、機械学習といった事業ドメインに興味がある方と一緒に働きたいと思っています。
また社風の点では下記のようなエンジニアの行動指針を定めています。
なかでも、特に気に入っているものをいくつか紹介します。
獣道を作ろう
まだだれもやったことない方法を使って、だれもやったことのない事をやって、医療という課題に向き合っていこう。
喧々諤々しよう
誰でも対等に忌憚なく意見が言えるようにしよう、そういう環境を作ろう。
もうやっちゃいました
すぐにできることなら、断りなくどんどん改善していこう。たとえばCI/CDの改善などはそれぞれの積極的に担当者が自身の判断で行っており、最近は入社2年目の担当者の発案でCodeRabbitをテスト導入したりしています。
フルマラソンチャンピオン
事業自体、比較的にロングスパンで動かしていくことになるので、長い距離でも走りきってチャンピオンになれるように、積極的にリファクタリングを行ったりテストを書いていこう。例えばデジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase」のプロジェクトでは、新機能の実装をしながら、平行してDDDへのリアーキテクチャなども進めています。
このエントリを読んで、少しでもテックドクターに興味をもっていただけたら嬉しく思います。
次回からは実際の事業内容に沿った技術的な記事や、コードやアーキテクチャの話、データサイエンスや分析手法の話などを記事にできたらと思っております。お楽しみに!
書いた人:佐藤